淑女の皆様ごきげんよう。ロマンスヒルズの管理人です。

ロマンス小説やライトノベルなどに関わっているロマンス業界の方々や
作家先生や翻訳者の方々に突撃インタビューする企画!「ロマンスインタビュー」
第10回は、ジュリア・クイン等の翻訳でご存知の方も多い、翻訳家の村山美雪さんにインタビューさせていただくことになりました。
この度はお時間をいただきありがとうございます!!!それでは宜しくお願いいたします!

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 ★12月9日発売のジュリア・クイン著『星空の下で攫われて (ラスベリーブックス) について

・どんなお話なのでしょうか?

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村山:
じつは2011年発行の『運命の結婚はすぐそばに』は二部作だったのですが、そのうちの一作である本書が長らく未邦訳となっていたため、今回ようやく日本でもご紹介できる運びとなりました。
 
天涯孤独となってしまった女相続人キャロラインが、子爵の次男で陸軍省の諜報員でもあるブレイクに人違いにより誘拐され、互いの事情で奇妙な同居生活を余儀なくされます。
心に深い傷を負っているブレイクは肝心の捜査を進めるいっぽう、協力しようとひたむきに奮闘するキャロラインにふしぎな感情を抱きはじめ……。

いつもながらドタバタの展開から始まったかと思いきや、ふたりの移り変わっていく心情描写も丁寧に描かれた、キュートな恋物語です。



・「ここを読んで欲しい」というオススメポイントがあれば教えていただけますか?

村山:『運命の結婚はすぐそばに』のヒーローも大活躍していますので、こちらをすでに読まれた方にはもちろんお勧めです。そして訳者といたしましては、ジュリア・クインの初期作品は物語にとても勢いがあるので、ユーモアあふれる会話や、ほっこりシーン、それにめずらしくアクション?もと、盛りだくさんのヒストリカルをご堪能いただければと思います。

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★村山さんと言えばジュリア・クインの著書の翻訳がすぐに思い浮かぶのですが、ジュリア・クインの作品のベスト3をあげていただくとしたら何になりますでしょうか。


 

村山:ほんとうは、ブリジャートンシリーズ全部!と言いたいところですが(笑)、強引に選ぶなら、『恋のたくらみは公爵と』『まだ見ぬあなたに野の花を』、それに単にヒーローが自分の好みNO.1という理由だけで『ミス・アナベルの秘密のキス』でしょうか。
ジュリア・クインはRITA賞を三度も受賞されているのに、どれも入れられずにすみません~。

※ブリジャートン・シリーズ とは、英国貴族のブリジャートン家の兄弟姉妹たちが愛を見つけるお話でして、それはもう様々なおいしい設定&個性的なキャラクター&ホットなロマンスがてんこもりの作品たちです。RITA賞を受賞しているパワフルなシリーズです。一応時系列はありますが、どの作品から読んでも面白いので、是非オススメいたします。(管理人)
→ブリジャートンシリーズはこちら
 

★名作と名高いジェニファー・アシュリー『はじめての愛を知るとき』(二見文庫)、続編の『一夜だけの永遠』について、翻訳したときの思い出などがあれば教えていただけますでしょうか。
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村山:リーディングの段階で、独特の世界観に引き込まれ、ぜひ邦訳すべきシリーズだとは思ったのですが、正直、翻訳を担当するのは大変そうだなと内心で腰が引けておりました。
読んでくださったみなさまはご存じのとおり、『はじめての愛を知るとき』のヒーローはきわめて特異な性質の持ち主です(だからこそ深みのある異色の物語なのですが)。
加えて、ヒストリカルということもあり、邦訳を出す際には、その点を表現するために使える用語がかなり狭められてしまいます。結果として、ベテラン編集者さんの的確なご指摘のおかげで、ちょうどよいところに着地して、雰囲気を壊さずに世界観を表現できたかなと思っています。
とても面白いシリーズなので、いつか残りの作品も出していただけるよう祈るばかりです。

※本シリーズの1作目『はじめての愛を知るとき』のヒーローは障害を持っています。でも、そんなことは何の関係もないほど、純粋な愛の物語としてぞくぞくするほど素敵なストーリーなのです。是非未読の方にはオススメしたい良作です(管理人)


★はじめてロマンス小説を読む人にオススメしたいロマンス本は?(翻訳した本でも、お好きな本でもかまいません)




村山:ジェイン・アン・クレンツの『曇り時々ラテ』『鏡のラビリンス』等はいかがでしょう。
もしロマンス小説を読むことに少し抵抗があるという人がいたら、この辺りのクレンツ作品をまず読んでいただければ、そういったものは取り払ってもらえそうな気もするのですが。

※ご紹介いただいたジェイン・アン・クレンツのこの作品たちは、現代が舞台のラブロマンス。個性的なヒーローやヒロインたちがとってもたのしい作品です。コミカライズもされていますので是非ロマンス小説初心者の方はお手にとっていただきたい良作。『曇り時々ラテ』はオタクIT社長が愛に目覚めるお話で、とってもキュートなラブコメ。『鏡のラビリンス』はミステリー要素もある大人のお話。どちらもオススメです♪(管理人)


★いままで翻訳された作品でオススメしたいものがあれば是非。何作品でも、ロマンス小説以外の作品でもかまいません
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村山:セバスチャン・フォークス『ジーヴズと婚礼の鐘』を挙げさせてください。

ウッドハウスをもうあまり知らない世代にも手に取るきっかけを与えたいとの願いから誕生した物語ですので、本篇を知る読者にはもちろん、まったく未読の方々にも必ずや楽しんでいただける内容となっています。
英国好き、バディもの好きにはきっと萌えポイントもたくさん発見できるはず。

わたしはとにかく、英国紳士同士の皮肉のきついユーモアあふれるやりとりが好物なのです。

※P.G.ウッドハウスのこのシリーズは、有能な執事×気のいい貴族が主人公で世界中で大人気な作品です。漫画家勝田文先生にコミカライズもされていますし、DVDもあります。ご興味あれば是非♪(管理人)



★普段はどんな本を読んでいますか?オススメの本があれば教えてください。


村山:年々自分がどんなジャンルを好きだったのかわからなくなるばかりで、現在はすっかり雑食です。
仕事柄、貴族や使用人たちの言葉探しで本を手に取ることも多いのですが、なかでもいまもページをめくればその空気にうっとりしてしまうのが、カズオ・イシグロの『日の名残り』です。
もうひとつ、まさにジャンルを超えた究極のラブストーリーとしてお勧めするなら、リチャード・マシスンの『ある日どこかで』。古めの作品ばかりでごめんなさい。

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『日の名残り』は時代に翻弄された英国執事のひそかな恋、『ある日どこかで』は時空を超えた切ないロマンス。映像でもオススメです。(管理人)

 ★読者の方々&インタビューを読んだ方々へ一言

村山:誰かがどこかで忙しい日々のなかでもほっと一息、おいしい紅茶とクッキーを片手に(なんならお酒でも!)読んでくださる本を訳せたなら、それ以上に幸せなことはありません。
これからも良質な作品をお届けできるよう努めますので、どうぞよろしくお願いいたします!



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村山さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
実はインタビューについてはカズオ・イシグロ氏のノーベル賞受賞前にご連絡いただいていたのですが、村山さんがオススメされている本に彼の著書がはいっていまして、とってもタイムリー♪
ご紹介されている本、どれも名作ですので、是非ご興味あればお手にとってみてください。

12月の新刊発売が待ち遠しいですね!

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それでは淑女の皆様。ごきげんよう。
素敵なロマンスライフをお過ごしくださいませ♪