淑女の皆様ごきげんよう。ロマンスヒルズの管理人です。

ロマンス小説やライトノベルなどに関わっているロマンス業界の方々や
作家先生や翻訳者の方々に突撃インタビューする企画!
「ロマンスインタビュー」
第3回は、ロマンス小説の翻訳を数多く手がけていらっしゃる翻訳家の芦原夕貴さんにインタビューさせていただくことになりました。

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インタビュー冒頭の『夢から現れた幻のあなた』(ベルベット文庫)は、1作目『夢見るキスの続き』RITA賞(アメリカロマンス作家協会、Romance Writers of Americaが行うアワード)を受賞 した、大人気シリーズ2作目。
私も早速手に入れて読んでいますが、とっても面白いです!

社交界デビューしたくないので、適当に婚約者をでっちあげてラブレターを送っていたら
本人だという謎の男が「結婚してくれ」と現れた。え?あなた誰?どうしよう(汗)
というラブコメディ!是非ご一読いただきたい作品です。

また、第一回インタビューの夏井由依先生から、芦原さんへの質問もあります。あわせてご覧ください!

芦原さん、お忙しいところありがとうございます!それでは宜しくお願いいたします!

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★芦原さんが翻訳された新刊、テッサ・デア(著)「夢から現れた幻のあなた」
8/22に発売となりましたが、この作品についてオススメポイントをおしえていただけますか?

芦原:無骨なハイランダーと、夢見がちな(というより妄想癖がある)かわいいイングランド人のヒロインが登場する、心温まるロマンス。
もちろん、コメディタッチで展開が読めない、この著者らしい作品です。


★翻訳家になられたきっかけは?

芦原:もともと実務翻訳者でしたが、文芸翻訳の講座に通い始めて4年目、レジュメ(出版社のために作品を読んで、粗筋や感想などをまとめて、邦訳刊行の価値の有無を判断しやすくする資料/企画書)に訳例をつけたところ、翻訳者として採用していただきました。



★過去に手がけた作品でオススメしたいものがあれば是非!
 
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14世紀スコットランドが舞台のハイランダーもの。シリーズ各作品で雰囲気が違うため、1巻が合わなかった方にも挑戦していただきたいです。

あと、勝手にロマンスさんでも賞をいただいた、以下の2作品。
大好きな作家の作品。とてもダークでサスペンスタッチな少し異色のロマンスです。

【第二回勝手にロマンス大賞受賞】
『愛を知った侯爵』シェリー・トマス著(ベルベット文庫)
訳書のなかで1番好きな作品。拙訳なのに何度も再読してしまっています(笑)。
大人っぽいシリアス系ロマンスがお好きな方に。

★自作とは関係なく大好きな作品があれば教えてください。 

芦原:たくさんあるのですが、無理に絞ると
・『時の旅人クレア』ほかアウトランダーシリーズ。ダイアナ・ガバルドン著 加藤洋子訳(ヴィレッジブックス/早川書房)
・『夢を見ること』リサ・クレイパス著 古川奈々子訳(ライムブックス)
・『もう一度あなたを』リサ・クレイパス著 平林祥訳(ライムブックス)
・『パラダイスを君に』ジュディス・マクノート著 瓜生知寿子訳(ヴィレッジブックス)
・『ベアード・トゥ・ユー』のシリーズ シルヴィア・デイ著 中谷ハルナ訳(ベルベット文庫)
・『プライドと情熱と』エリザベス・ソーントン著 島村浩子訳(二見文庫)
・『灼けつく愛のめざめ』シェリー・トマス著 高橋佳奈子訳(二見文庫)
・『大嫌いゲーム』サリー・ソーン著 日下部 圭訳(マグノリアロマンス)


★今手がけている作品はどんなお話?(差し支えない範囲で)

芦原:某人気テレビドラマの裏話本と、ハーレクイン出身某人気作家の新作(堅物系軍人ヒーロー×苦労人系ヒロインなのに、なぜか明るい作風のロマンス)。いずれも持ち込みして企画が通った作品です。


★芦原さんに、読者の方から質問がきました。お答えいただけますでしょうか。
(質問者は、第一回インタビューの夏井由依先生。芦原さんのファンだそうです!)

51CZIOPXBxL 夏井:わたしは「ハイランドガード」シリーズ、特に二巻のエリク(『ハイランドの鷹にさらわれた乙女』の主人公 )が大好きです。
エリクの一人称が「ぼく」なので、よけいに気になってしまったといいますか、筋肉の上の柔らかな笑顔が見えまして!
英語ですと全部「I」だと思うのですが、翻訳の際、日本語での一人称はやはりキャラ分けや、そのキャラの背景などでお決めになるのでしょうか。
日本語の一人称は、やはりイメージがこれで変わると言ってもいいくらいですし、編集者さんと相談しながら進めていくのか、色々と気になります!


芦原:一人称大事ですよね。一人称を決める時は、皆さんそうだと思いますが、地位とか立場(例えば礼儀作法を教えこまれて育ったはずのリージェンシーの貴族ヒーローは、普通「おれ」はあり得ないので「ぼく」か「わたし」にする等)のほか、年齢、性格、キャラの雰囲気などで決めます。翻訳する段階だと、編集者さんは普通作品全体をまだ読まれていないので、一人称はまず翻訳者がひとりで決めるのが普通だと思います。
 
ハイランダーのヒーローは、大柄、強い、たいていオレ様系、というイメージで、「おれ」になる確率が高くなると思うんですが、ハイランドガードはシリーズものなので、何巻まで邦訳刊行されるかわからないとはいえ、ヒーロー全員「おれ」にするのは避けたいな、とまず考えました。

エリクは第二巻のヒーローですが、第一巻から台詞も多く、最初から一人称を決める必要がありました。
第一巻で朗らか、お調子者、茶目っ気たっぷりとわかったうえ、第二巻をチラ見して、女に超モテることも判明したので、この人は「ぼく」がいいかなと考えました。女の子にすーっ近づいて仲良くなるのが上手な人って、意外と優しい話し方をする男性が多いイメージもあったので。

(あと、すみません、この場を借りて説明させていただきますと、第三巻のヒーローのアーサーは、第一巻で一度だけ「わたし」と言っているのですが、第三巻を読んでみて、「この人は〝わたし〟じゃない!」と考え直しまして、編集者さんに了解を取って第三巻から「おれ」にしました。)


★インタビューを読んだ方々へ一言!

拙訳書をご愛読いただいた方がいらっしゃいましたら、この場を借りてお礼申しあげます。
これからもよろしくお願いします。m(_ _)m

 
 

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以上、いかがでしたでしょうか。
芦原さん、お忙しいところ素敵なコメントをありがとうございました!
次回の翻訳家インタビューは、金井真弓さんを予定しています。お楽しみに!→金井さんの作品はこちら!

★勝手にロマンスインタビューはこちら

▼第二回
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▼第一回
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ではでは。素敵なロマンスライフを!


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